INTERVIEW

[ Part4 ]

安井 謙太郎

安井謙太郎が語る、
7ORDERの体温と“生き物としての今”

結成7周年、5人体制後初、3年ぶりのフルアルバムになりました。今回はどんな作品を作りたいと思っていましたか?

安井

7周年というより、2年前から自主レーベルになったこともあって、自分たちの純度が高いものを作りたいなと思っていました。今、自分たちの中にどんな衝動があるのか。それをフィルターを通さず、そのまま出したいなって。

その思いは他の4人に伝えたんですか?

安井

なんとなくムードとしてありましたね。『EGG』は今のトレンドをちゃんとキャッチしてみようという作品だったんですけど、それをやってみた結果、「自分たちの色って何なんだろう」「7ORDERってどういう形してる生き物なんだっけ」みたいな話をずっとしていて。だから、今の僕らはこういうことですって、5人全員が揃って言えるアルバムにしたかった。

そんな中で、個人的にテーマにしていたことは?

安井

プレイヤーとして存在する、ということですね。歌い手として自分はどういう表現をするのか。だから、技術的なことを追い求めるよりも、ちょっとお芝居っぽくレコーディングしたんです。頭で考えるより、感情で歌ったものをそのまま残す意識でした。聴いたときにパッと思った感覚で曲に乗っていく。自分がもともと持っている表現の質を信じるというか。

それが今回の進化ポイント。

安井

今までは誰かの技術を借りる感覚があったんですよ。ボーカルディレクションの人のアドバイスとか、いわば赤ペン先生みたいなものがあって、その上に自分の表現を乗せる感じだった。でも今回は多少粗くても、自分がやりたいことを押し出す方向にしました。

けんちゃんから見て、他の4人はどんな部分が成長しましたか?

安井

さなぴーはコンポーザーとして大きく成長したなと思います。もともと正解・不正解をはっきり決めるタイプで、全部合っていることが正義だった。でも今回は全部100点で揃えるんじゃなくて、例えばドラムは80点でも、そこに120点のベースやピアノを当てたらどうなるかっていう、料理みたいな発想で曲を作るようになった。そのバランスを見つける引き出しを得た感じがしますね。

モロは?

安井

モロは表現力が常にレベルアップしてる。自分でも話してましたけど、主役にもなれるし、助演にも回れる。その使い分けがすごくできるようになったなって。あと、モロは好きなジャンルがはっきりしていて、それを7ORDERの中でどう活かすかを考えてくれる。「7ORDERに似合う服ってこうじゃない?」って提案してくれる、センスのいい友達って感じです。

はぎちゃんは?

安井

はぎちゃんはこの数年でめちゃくちゃ変わりました。今まではボーカルの背中を押すドラムで、「行けー!」みたいなタイプだったんですけど(笑)、今回は曲によってそうじゃない表現もできるようになった。あと、「Love u Lucky me」でスティールパンを入れたいっていうアイデアも出して、それが実際形になって。ドラムがいいとバンドがいいって言うけど、はぎちゃんがグッドバイブスになったのは大きいです。

ながつは?

安井

ながつは、ちょっと“さなぴーの呪い”があって(笑)。音楽を始めたときに一番近くにいたのがさなぴーで、いわば“100点の先生”の下でやってきたから、100点じゃないといけない、みたいな価値観があったんですよね。でも今回は、さなぴーが変わったこともあるし、7ORDERの作り方も変わったことで、プレイヤーとしての自分を初めてピュアに出せた。ながつって、めちゃくちゃボーカルのことを考えてくれるんですよ。

コードバッキングが?

安井

そう。このコードだと歌いづらいかなとか、他の人がコードを弾いていないときに補ってくれたりとか。そういう優しさをもともと持ってるんですけど、そこに加えて「自分はこう表現したい」という意志も出せるようになったのが大きいですね。

そういう今のグループの状態をどう見ていますか?

安井

最高の状態だと思います。7年前に独立して、いろんな濁流の中にいたけど、立ち戻って考えると、あのときこういうことをやらなきゃいけなかったんだなって。それを今回やれたし、やったら楽しかった。みんなが自分の中の100点をちゃんと出した作品を残せたのは、本当に良かったと思います。

今の7ORDERは安心感と緊張感、どんなバランス?

安井

緊張感はないですね。みんなが寛容になったんだと思います。時間を重ねたこともあるし、年齢もあると思うけど。だから、誰かが何か言い出すんじゃないか、みたいなピリピリ感はなくなった。でも安心感とも違う。すごくフラットなんですよね。だからこそ、「これいいかも!」「これで行こう!」っていう熱が上がった瞬間がわかりやすい。

7ORDERという生き物が、今、生き生きしてる感じ?

安井

生き生きというより、リラックスしてるのかもしれないです。それはだらーんとしてるっていうことじゃなくて(笑)。動物園でもないし、競争の激しいサバンナでもなくて、自分の住処にいて無理してない状態というか。

今回の制作を通して見えてきた7ORDERの強みとは?

安井

今回は7ORDERっていう生き物の性質が出てると思うんです。顕微鏡で拡大してみると、一人ひとりの個の表現やパワー、考えや人間性が元気に動き回ってる。その細胞が集まって7ORDERになってるのってすごいことだと思うんです。一人ひとりが人間味あふれる表現者として成長できたし、借り物じゃない“自分の表現”の糸口を見つけられた。一人ひとりの表現をこんなに素直に7ORDERでやれたことにめちゃくちゃ価値があると思ってるんです。

グループを作ったときの“個の集合体です”っていう概念に戻ってる感じがあるんですね。

安井

みんなが本当にピュアな気持ちで、“やりたいから集まってる”という形が理想だと思うんです。この5人でしか出せないバイブスがあるから集まるっていう。その上で、僕らの出自的にエンタメとしても輝けて、人間臭くもやれる。そのバランスを強みにしたら、本当に唯一無二のグループになれるんじゃないかと思うんです。

未来を照らすアルバムになりましたね。

安井

7ORDERという生き物が、ようやく人間になれた感じなんですよね。体温や肌感があって、「この辺の肌、荒れてるよ」とか「この辺だけ髪の毛パサついてるな」とか、そういうことも含めてすごく人間っぽい。だからこそ、この表現を続けていけば、7ORDERとしても各個人としても、もっと面白いことができるだろうし、もっと素晴らしい未来が待ってるんだろうなって思います。

Interview & text / Takashi Inomata

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